映画鑑賞備忘録

突然ですが、最近は映画館に行ける余裕もあまりなく... 主にTVで観た旧作映画の感想など思うがままに書き綴っています...。

19)エクスペンダブルズ2

エクスペンダブルズ2 (2012年 米)

 
シルベスター・スタローンがその人脈でかき集めた往年のアクション俳優陣によるアンサンブル映画の第二弾。
 
主に80年代以降に活躍してきたマッチョマン達が、銃弾の雨あられを降らせ、殴り合いやナイフを使った格闘などの肉弾戦をこれでもかと繰り広げる軍事アクション映画である。
シリーズの1作目も観ているが、飛び交う銃弾の数も、死ぬ人間の数も半端ではない。もちろんその筋肉量も1作目に比べて数段レベルアップしている!?
 
前作から続投のシュワちゃんブルース・ウィリス、さらにはジェイソン・ステイサムドルフ・ラングレンジェット・リーなどおなじみの面々に加え、今回の敵役はジャン=クロード・ヴァンダムという念の入れようである。これは期待せずにはいられない。
このメンツだけでもお腹いっぱいなのに、今作にはなんと伝説の男チャック・ノリスまでご登場である。70年代〜80年代のハリウッドアクション映画で育ったワタシのようなおじさんはもう狂喜乱舞する他ない。
 
これらの豪華俳優ありきの強引な配役やトンデモ展開が若干気にはなるものの、この映画にリアリティだの、人間ドラマだのを求めるのは野暮というもの。
ストーリーは二の次、とにかく観客を楽しませることに徹底的に拘った爽快なまでの突き抜けっぷりに拍手を送りたい。
観客と言っても、チャック・ノリス?誰このジジイ?と思っているような若い人や女性は見向きもしないだろう。
ターゲットはワタシと同年代以上のおっさんに限られる極めて男臭い、おっさん達によるおっさん達のための映画に仕上がっている。
 
並み居るおっさん消耗品(=エクスペンダブルズ)仲間において、途中で殺されてしまう新メンバーのビリーを除けば一番若い(?)であろうジェイソン・ステイサムのケンカ闘法やセリフ回しなどはとにかくカッコイイ。
先日鑑賞したワイルド・スピードスカイミッションでも清々しいほど憎たらしい凄腕の悪役を演じていたが、ジェイソンは今ハリウッドで最もクールでセクシーなハゲ..否スキンヘッド俳優だと思う。(褒め言葉)
 
世界的に評判がいいのか本作はシリーズ化され、3作目も昨年封切られていたが(そちらは未見)、4作目もスタローンはやってくれそうだ。
これらスターの競演を誰もが一度は夢見るも企画倒れに終わりそうな、そんな映画シリーズを現実のものとして私達に提供してくれるスタローンには素直に敬意を表したい。
もうすでに還暦を過ぎて結構たっているはずだが、彼の映画への情熱は、スクリーンの中の役柄同様に今もなお衰え知らずのようだ。
この際、余計なことは考えずに頭を空っぽにして鑑賞したい。マッチョジジイ万歳。
 
私的評価:★★★★☆ 
 

18)戦場のピアニスト

戦場のピアニスト (2002年 仏・独・波・英合作)

 
ようやく観る機会を得た。
 
当備忘録の最初の方でたまたま立て続けに鑑賞した『プレデターズ』『ヴィレッジ』に出演していたエイドリアン・ブロディが、米オスカーの主演男優賞を受賞し、カンヌではパルムドール、英国ではアカデミー作品賞など各国の映画賞を総なめにした作品。
エイドリアン・ブロディは、実在のユダヤ系ポーランド人のピアニスト、ウワディスワフ・シュピルマンを演じている。
 
舞台は第二次世界大戦が勃発しナチスドイツの侵攻にさらされたポーランドの都市、ワルシャワ
ワルシャワ在住のユダヤ人が次々とナチスドイツのホロコーストの犠牲となっていく様をシュピルマンの視点で捉え続けた戦争映画である。
全体的な印象としては、この手の映画特有のドンパチ表現や映画的なドラマチックな展開はかなり控えめで、実に淡々とした映像に仕上がっている。
淡々としているが故のリアリティがあり、直接訴えかけてくるような怖さがある。
 
監督のロマン・ポランスキーは、実際にユダヤ系のポーランド人であり、第二次大戦期にユダヤ人ゲットーに押し込められ、ドイツ軍に苦しめれた経験を持っているそうで、序盤から、これでもかと言わんばかりのドイツ軍の蛮行描写を見せつけられる。
特別な理由などなく、ただユダヤ人だからというだけで躊躇なく引き金をひくドイツ兵...。
車椅子ごと高層アパートのベランダから放り落とされるユダヤ老人...。
街中のそこかしこに転がる死体をまたいで往来するゲットーの日常...。
そこには、平和ボケの現代に生きる私たちにとって、まさに想像を絶する極限の光景が広がっていた。
 
友人たちの機転や仲間たちの協力により、強制収容所送りは免れ、さらには隠れ家を転々としながら命を繋いでいくシュピルマン
ワルシャワ・ゲットーを脱出した中盤以降は、逃げる、隠れる、また逃げる、のさながら"サバイバル映画"の様相となっている。
シュピルマンが生き残れた奇跡は、こういった周りの人たちの好意の積み重ねがあったことも忘れてはならないだろう。
 
そして、戦争も終盤に差しかかかった1944年、ドイツに対する反抗勢力らによるワルシャワ蜂起が勃発するも結果的には失敗に終わり、ドイツ軍は報復としてワルシャワ市街の徹底的な破壊工作に打って出る。
ドイツ軍の病院に一時的に隠れていたシュピルマンが命からがら市街地へと逃げ出して行くシーン。足下がフラフラのシュピルマンをカメラが遠目から引きの画でとらえていき、廃墟となってしまったワルシャワ市街の全容が現れる場面に絶句・・・。
廃墟と呼ぶのが生易しいくらいに破壊し尽くされた街並み。次の瞬間、これどうやって撮影したんだろう?という疑問が頭をよぎる。オープンセットなのか?それともCG合成なのか?いずれにせよ、この映画を象徴する場面のひとつになっている。(下記リンク先のDVDパッケージご参照)
 
この作品の原題「The Pianist」のタイトルから想像するにピアノ演奏の場面が結構あるのかと思いきや、意外にもピアノシーンは少ない… 否、逆に少ないからこそかえってピアノ演奏のシーンがより鮮烈に引き立つ効果があると感じる演出。
その象徴ともいえるのが、物語のラスト、隠遁していた廃屋でドイツ軍将校に見つかり、命じられるがままに演奏した場面である。
最初こそ恐怖や逃亡生活の疲れからか、たどたどしい旋律で始まるものの、徐々に抑圧されていた気持ちが開放していき、終盤にかけてショパンを見事に演奏してみせ、静かに見守っていたドイツ将校を唸らせる。
シュピルマンはピアニストだからこそ命を繋ぐことができた。ピアノが生きる希望、また生かされる意味だったのだ。
 
エイドリアン・ブロディは、配役毎に全然印象が異なる演じ分けっぷりに、以前「いい役者」と言及したが、この彼の代表作でも、どんどんやつれ、耐え忍ぶ悲劇の主人公にぴったりハマったイメージであり全く違和感はない。
実際のシュピルマンさんとはあまり似ていないとの意見もあるようだが、彼の熱演なくしてこの映画の成功はなかったと思われる。
 
シュピルマンさんは21世紀が始まる直前までご存命だったので、映画のストーリー的にはもちろんハッピーエンドなんだろうけど、重い、とてつもなく重く、そして考えさせられる映画だった。
 
私的評価:★★★★★ 

 

戦場のピアニスト [DVD]

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17)あなたへ

あなたへ (2012年 日本)


映画鑑賞備忘録2作続けての日本映画。
今回は結果として高倉健大滝秀治の遺作になってしまった祈念碑的作品。
朋友、降旗康男監督とのゴールデンコンビは本作で何本目なのだろう? 健さんは晩年はほとんど降旗監督としか仕事をしていなかったようだが、何か特別な理由でもあるのだろうか…?

富山刑務所の刑務官である健さんが、先立たれた妻(田中裕子)の「故郷の海に散骨して欲しい」という遺言に従って、妻の生まれ故郷である長崎県平戸の漁港目指し、自らキャンピング仕様に改造したエルグランドで旅に出るという内容。

旅の途中で出会う人達との心温まる交流や日本の美しい原風景など、いかにも日本映画らしい旅と人情が満載のほんわかした気分になれるロードムービーに仕上がっている。

何と言っても、これは高倉健ありきの健さん映画である。
80歳を過ぎてもなおそこに佇んでいるだけで、この存在感はさすがという他ない。
降旗監督のちょっと乾いたような空気感を醸し出す映像美も相変わらず素晴らしい。
先日たまたま仕事で富山県に行ったばかりだったので、そうそう富山ってこんな空気感だった! と思わず膝を叩いてしまったほどだ。

ただ、良くも悪くも"健さん映画"の域を脱してなく、物語としてはちょっと分かりにくいのが気になった。
妻は遺言で結局何を言いたかったのか?
とうとう最後までよく分からずに終わってしまった感じだ。
もちろん健さんは終盤で自分なりの答えを出す。ただし見てる方には、妻の遺言に込められた想いや二人の間の心情が今ひとつ伝わってこない。
私があまりこういう映画に見慣れていないせいもあり鈍いのかもしれないが...。
それは、観客それぞれが感じたことが答えなのだと問い掛けられているようでもある。

でも、どうしても健さんのロードムービーと言えば、真っ先に思い出す傑作「幸福の黄色いハンカチ」と比べてしまう自分がいる。
少なくともあちらの方がラストは数倍泣けた。

とは言え、俳優:高倉健への惜別としての時間が共有できる良作であるのは確かだ。
そこでは実にゆったりとした時が流れていて、しばし日常を忘れて癒される時間となった。
 
私的評価:★★★☆☆

 

あなたへ DVD(2枚組)

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16)ゼロの焦点

ゼロの焦点 (2009年 日本)

 

松本清張原作の映画化作品。とても著名なお話なので、これまで何度も映像化されているみたいだが、劇場用の映画作品としては本作でニ度目だそうだ。(一回目は1961年制作の松竹映画)

 

主演は広末涼子
まだ戦後の影響が色濃く残る昭和30年代初頭の北陸金沢を舞台に、夫の失踪をきっかけに起こるいくつかの殺人事件の真相に迫るミステリーだ。
 
私は今まで原作も読んだことがなく、映像化作品もどれも観たことがなかったので、前提知識ほぼゼロで今回鑑賞した。
前半のうちはなかなかどうして、えっ?誰が犯人??ってな感じで、ハラハラドキドキ感が強くかなり引き込まれた。
 
しかしながら、中盤以降でだいたい犯人の察しがついてくると、一気にミステリー色は薄くなり、やや唐突な展開やストーリーの無理矢理さで中だるみしてくる。
さらにラストに至っては、「えーっ!、どうして○○さん自殺しちゃうの?」という違和感しか残らない衝撃の展開が・・・。
原作はきっとこんなラストじゃないんだろうな... 読んだことないのでホントのところは分からんけど。
 
犯人が殺人に至る経緯が、戦後の傷跡が大きく影響しているというお話なので、悲しいかな、21世紀の現代ではそのリアルさを醸し出すのはかなり難しい作業だったのは想像できる。
が、ちょっと人間関係、とりわけ各登場人物の感情表現の部分を軽視しすぎな脚本に感じた。まぁ2時間という限られた尺の中では致し方ないのかもしれないけど。
 
一方、画面細部の背景描写、昭和30年代の鉄道(当然蒸気機関車です!)、駅や街並み、衣装、小物に至るまでの再現性は見事だ。どうやって撮影したんだろう?と唸らせるレベルにあったと思う。
 

さらに、広末涼子を始めとする主要メンバーの三女優はどなたもそれなりにいい演技をしていたと思う。

特に失踪した広末の夫(西島秀俊)と懇意にしていた社長夫人を演じていた中谷美紀の鬼気迫る怪演は素晴らしかった。
もともと中谷の演技力には一目置いていたけど、この作品も全く期待を裏切らない。個人的に好きな女優さんのひとり。
 
また、薄幸な女性を演じさせたら右に出る者はいないと評判の木村多江
苦労の末の"安住の地"のはずだった男性に裏切られ、信じていた旧友にも貶められ、そして断崖絶壁から・・・というとんでもなく不幸な役柄はまさに彼女の真骨頂である。
 
そして、広末もその丸顔とアニメ声が、結婚してすぐに夫に失踪された新妻役として何となくしっくりこない印象も捨てきれなかったけど、"事件"を通じて強く成長していく女性を健気に、時に力強く演じていた。かなり頑張っていたと思う。
 
ただただ違和感が拭えない後半の展開が残念。
こうなるとやっぱり原作が読みたくなってしまう。原作を読んでからもう一回改めて鑑賞するとまた違った見方ができるかもしれない。
 
それにしても本作のタイトルはなぜ「ゼロの焦点」なのだろう?最後まで見ても意味が分からなかった。
松本清張の作品はタイトルの付け方にひと癖あるというか、私にとっては非常に難解です。
 
私的評価:★★☆☆☆

 

ゼロの焦点(2枚組) [DVD]

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15)マイ・ルーム

マイ・ルーム (1996年 米)

 

ダイアン・キートンメリル・ストリープレオナルド・ディカプリオ、そしてロバート・デニーロという錚々たるメンバーが競演している話題作。

 

数々の映画賞に常連の何とも贅沢な俳優陣だが、ストーリー自体はアメリカ映画に結構ありがちな内容で、テンポも実に淡々としており、正直地味な印象。

  

確執があり長年音信不通だった姉妹が、姉の白血病をきっかけに再会して「家族」を取り戻していく過程が描かれる。

こう書くとお涙ちょうだいの感動大作なのかと思うかもしれないが、意外と泣ける場面は少ない。

 

親の介護問題や息子の非行、そして白血病がテーマになっているので、雰囲気としては全編に渡り重め。但しそのような要素も時にコミカルに、時にハートフルに、いい意味で非常に丁寧に演出されている。演技派俳優たちのさりげないセリフのキャッチボールもさすがだ。

 

特に姉役を演じるダイアン・キートンの笑顔が素晴らしい。

 

父親や叔母の面倒をみるためにずっと独身を貫いてきた挙句に白血病を患い、さらには家族の誰にも骨髄移植の適合者がいない事実が分かってからも、「でも私は愛してる人がそばにいるから幸せよ」とのたまう。

ともすれば、なぜそのような崇高な境地に至れるのか? と訝しい見方もできるのだが、キートンのキュートで優しい笑顔が、そんな観客の斜め目線はただの邪推だと気付かせてくれる。

 

妹:ストリープは姉に負い目がある設定上、終始顔色が悪くあまり笑わないのだが、姉:キートンは家族旅行で出掛けたディズニーランドで吐血してもなお、本当に幸せそうだ。

この対照的な姉妹を演じる二人の演技バトルも本作の見どころのひとつと言えよう。

 

私的評価:★★☆☆☆ 

 

マイ・ルーム [DVD]

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14)トラ・トラ・トラ!

トラ・トラ・トラ! (1970年 米・日)

 

日米合作による戦争映画。ご存知の方もかなり多いと思われる話題作にして、日本では太平洋戦争映画としては出色の出来と評価の高い作品。
本作は、第二次世界大戦のきっかけとなった日本軍によるハワイ真珠湾の米軍基地奇襲攻撃を史実にかなり忠実にトレースしていると言われている。

 

当初は黒澤明が日本側シークエンスの脚本/監督として起用されていたが、諸事由により降板。代わりに舛田利雄深作欣二がメガフォンを取ったとのいわくつきの映画でもある。

 

ストーリーとしては、当時の日米間の緊張状態から徐々に真珠湾攻撃に向かっていく様子が、両国の軍関係者を軸にアメリカ側、日本側と交互に場面転換しながら描かれていくというもの。
そこは合作らしく、アメリカサイド、日本サイドのどちらにも変に肩入れすることなく、公平に、淡々と、そして時に緊張感たっぷりに進展していく。

 

また、空母赤城からの艦上攻撃機の発艦シーンや編隊飛行シーン、真珠湾での攻撃シーンは古い映画ながら一見の価値あり。CG映像に慣れた目で見ても遜色のない特撮の出来で、とても45年前に製作された映画とは思えないくらいの臨場感で迫ってくる。この辺りの映画にかける予算規模や再現性などはさすがアメリカ資本映画と言う他ない。

 

本作で連合艦隊司令長官山本五十六を演じるのは今は亡き山村聰だが、これほど山本長官役が似合う俳優は他にいないんじゃないか?と思うくらいハマっていたと思う。
最近の日本映画では役所広司山本五十六を演じていたけども、あれはどうだったのだろう? 意外と面白い配役にも思えるが。(そちらは見てないので評価できません)

 

日本海軍によるパールハーバー襲撃に関する見識は人それぞれだと思う。私はこの辺りの近現代史に以前から興味があったので、多少の知識はあると自負していたけど、こうやってリアリティのある映像として見せられると、やっぱりすんなり頭に入ってくるというか、机上の知識だけでは分りづらいところも説得力を持って再確認できたのは大変有意義だと感じた。


今年は戦後70年という節目の年。別に狙っていた訳では全然なく、たまたま鑑賞したのだけれど、考えさせられるところ多々ありで、しばし日本の歴史に想いを馳せる時間となった。

 

私的評価:★★★☆☆

13)ザ・エージェント

ザ・エージェント (1996年 米)

 
1996年のアカデミー賞作品賞にノミネートされたトム・クルーズ主演の人間ドラマ。
 
アメリカのスポーツエージェント(代理人)の成り上がりストーリーという前フリだったので、プロスポーツ業界に関心がある身としては期待して鑑賞したのだが、あまりピンとこなかった。
 
肝心のスポーツエージェントの仕事っぷりやどん底からのサクセスストーリーは平板でほとんど抑揚もなく、深いところまでは掘り下げられてはいない。
 
よくよく調べてみると、この映画の原題は「Jerry Maguire」だそうだ。つまりトム・クルーズの役名である。なるほど、たまたまトム・クルーズのキャリアがエージェントなだけで、描きたかったのはそこではなかったのね...納得。これは邦題の付け方に問題ありだね。
 
共演は、この映画に出演後「ブリジット・ジョーンズの日記」「シカゴ」で大ブレークを果たすレニー・ゼルウィガー。トムが想いを寄せる子持ちの未亡人役なのだが、この手の白人女優としては珍しく童顔で実際この時はまだ若いせいか、いかんせん"母親"の雰囲気が画面から伝わってこない。
また親子の関係性という辺りがうまく描き切れておらず、あまり親子に見えなくて最後まで感情移入できずに終わってしまった感じだ。
 
トムとレニーの恋模様もちょっと中途半端な印象で、う~ん、どうなのよ?これは・・・。非常に評価し辛いところだ。
 
Amazonあたりではかなり評判がいいようだが、私的にはあんまり面白くなかったな。
やっぱりトム・クルーズには、もっとクールでヒーロー然とした役が似合ってるよ。不器用でフツーな青年役(に見えてしまった)はあまりしっくりこない。
 
エージェント・トムの相棒役のキューバ・グッディングJr.は、当初は軽薄そうで小うるさい顧客として登場するものの、次第に情に厚く気持ちの大きい男として大成していくフットボール選手を見事に好演していた。本作唯一の拾い物。
 
この年のアカデミー賞に様々な部門でノミネートされていた本作であるが、結局受賞したのは、助演男優賞キューバ・グッディングJr.のみだったのには妙に納得してしまった次第。
 
私的評価:★★☆☆☆