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映画鑑賞備忘録

突然ですが、最近は映画館に行ける余裕もあまりなく... 主にTVで観た旧作映画の感想など思うがままに書き綴っています...。

36)ブラック・スワン

cinema

ブラック・スワン(2010年 米)

 

ナタリー・ポートマンがこの年のアカデミー賞、主演女優賞を獲得した話題作。


この映画、予備知識なしに鑑賞すると、多くの人が「予想してた内容と全然違う!」との感想を持つのではないだろうか?
最初はバレエダンサーの単純な立身出世物語かと思っていたら... 終盤に向けてとんでもない展開に・・・。
バレエを題材としたスポコン物などではなく、サイコ・スリラー、いやホラー映画の類と言い切ってもいいくらいの内容であった。


ニューヨークの名門バレエ団で「白鳥の湖」のプリマに抜擢された主人公ニナ(ナタリー・ポートマン)が、周囲のプレッシャーや自身の神経質な性格からやがて精神に異常をきたし、妄想や幻覚の泥沼に嵌っていく、というのが大まかなストーリー。
とにかくナタリー・ポートマンの怪演が凄い!のひと言につきる作品である。完璧主義ゆえの苦悩、黒鳥をうまく演じられない焦燥、そして徐々に壊れていく複雑な内面の機微を見事に演じ切っている。アカデミー賞受賞も納得の演技。


今までポートマンと言うと、個人的には『レオン』での少女役、マチルダ・ランドーが強く印象に残る。
スター・ウォーズ』シリーズのアミダラ姫も私の中ではイマイチ印象が薄く、いつまでも"子役"のイメージが拭い切れなかったのだが、この作品で彼女に対する印象が完全に変わってしまった。そのくらい存在感がある素晴らしい熱演ぶり。


ただ、良くも悪くもナタリー・ポートマンにつきる映画であり、作品全体の出来としてはあまり面白いものではなかった。
たまたまモチーフにバレエ・ダンサーが選ばれただけで、バレエである必然性はなく、またバレエに対するリスペクトもほとんど感じることができない。もっとバレエの凄さや素晴らしさを表現できても良かったのではないか、とも思う。

 

サイコ・スリラー映画として捉えても、ちょっと中途半端な印象であり、ジワジワくる怖さは正直ない。何より、物語の核心部分を「幻覚に陥る…」として片付けてしまうやり方がどうも好きになれない。さらに、扇情的かつ悲劇的な結末もしかり。
何か悪い夢を終始見させられているようでもあり、人によって好き嫌いがはっきり分かれる作品かもしれない。

 

私的評価:★★☆☆☆