映画鑑賞備忘録

突然ですが、最近は映画館に行ける余裕もあまりなく... 主にTVで観た旧作映画の感想など思うがままに書き綴っています...。

51)13時間 ベンガジの秘密の兵士

13時間 ベンガジの秘密の兵士 (2016年 米)

2012年にアフリカ・リビアベンガジで実際に起こった「アメリカ在外公館襲撃事件」をテーマとした、Based on True Storyの作品。

 

監督はマイケル・ベイブロックバスター映画を作らせたら右に出る者はいないと称される、言わずと知れたエンタメ映画界の巨匠である。
そんなマイケル・ベイが、実際に起こった事件を題材にどんな映像を撮ったのか興味があったので鑑賞に至ったわけだが、ひとことで言ってしまうと、結構面白かった。

 

やはりマイケル・ベイマイケル・ベイ。史実を題材にしていても、緊張感みなぎる戦闘シーンとド迫力映像で、エンタメ要素満載の娯楽映画にしてしまう強引さは、もはや潔いを通り越して芸術に域に達していると言えよう(褒め言葉)。
そこには、イスラム過激派や現地民兵が在外アメリカ公館をなぜ襲撃したのか?などの考察や社会的メッセージは皆無。
「理不尽に攻撃してくる敵に立ち向かったこんなアメリカンヒーローたちが実際にいたんだよ、どうだ、カッコいいだろ!?」が伝わってくるのみである。
確かにカッコいい。カッコいい兵士を撮らせると本当に上手い監督だ。

特に本作のクライマックスである、現地CIAの"隠れ家"にろう城しての近距離銃撃戦の描写は凄まじいリアルさだ。暗闇から忍び寄る敵を一人また一人と撃ち殺していく様は、よくできた戦争ゲームを見ているようでもある。

 

さらに、終盤には敵の迫撃砲が"隠れ家"に撃ち込まれるのだが、飛び出す迫撃砲が着弾するまでの迫撃弾目線の映像が、あの懐かしの『パール・ハーバー』での爆撃機から投下される爆弾目線を彷彿とさせる、おまけのシーンがあり、ベイファンの拍手喝采が聞こえてきそうだった。

 

Wikipediaによると、本作は日本では劇場公開されずにビデオスルーされたようだが、あまり日本人に馴染みのない事件が題材なことと、ベイ映画には珍しく一部にゴア表現があることが原因かもしれない。いつものマイケル・ベイもののご多分に漏れず、映像のクオリティーは素晴らしいだけに少し残念な気もする。

 

ちょっと前に、イラクでの米兵士の活躍を描いた『グリーン・ゾーン (2010年 米)』という、一体どこまで実話なの?これは社会派?エンタメ?のようなどっちつかずの感想を持った映画を観たばかりだったが、そちらに比べると純粋に娯楽映画として楽しめる作品であった。そう、本作はあくまでエンタメ娯楽映画なのである。

 

私的評価:★★★★☆