映画鑑賞備忘録

突然ですが、最近は映画館に行ける余裕もあまりなく... 主にTVで観た旧作映画の感想など思うがままに書き綴っています...。

49)アフター・アース

アフター・アース (2013年 米)

 

このところSF映画の備忘録が続いているが、またしてもSFで失礼。

出演者も含め全くの予備知識なしで鑑賞し始め...あれ?いつもとは若干雰囲気の違うウィル・スミスが出ているぞ..さらに、息子役の子は本当にウィル・スミスに似ているなー..と思っていたら、ウィルの実子のジェイデン・スミスだった。親子共演でかなり話題になった『幸せのちから』を見たことがあるのに、最初は全然気が付かなかった。

あらすじとしては、人類が地球とは違う別の天体に移植してから1000年後の物語になる。
人類にとってヤバイ怪物に対抗する特殊能力を持つ伝説の兵士、父スミスは、最後の任務に半人前兵士である息子スミスを同行させる。
目的の天体に向かう途中で、搭乗する宇宙船が事故に遭い、ある惑星に不時着(墜落?)してしまう。
生き残ったのは、瀕死の重傷を負って動けなくなってしまった父スミスと息子スミスの二人だけというヤバイ状況。
意を決して、息子スミスが、宇宙船墜落の際に100km先にバラバラに墜落してしまった船尾部分にある救難信号の発信機を取りに向かうところから本筋が始まる。

 

この不時着した惑星とは、人類がかつて環境汚染のため放棄した"地球"だったのだ。
1000年後の地球は、夜になると極度の低温になりヤバイ、酸素供給器具なしではほとんど呼吸もできなくてヤバイ、そして何より、人間に襲いかかる獰猛な生物がうようよしていて相当にヤバイ星になっていた。
果たして息子スミス君は無事救難信号機を持ち帰れるのか!?
取っ掛かりとしては悪くない。ワクワクさせる導入部で一気に引き込まれた。

母船にいる瀕死の父は通信機を通して息子にアレコレ指示を与え続け、息子は苛烈な環境の地球で様々な障害を乗り越えて、ついには船尾にたどり着く。
そして、因縁の怪物との宿命の対決が迫るのだが・・・。

 

この映画では、壮大なスケールと多額の予算をかけたスミス家長男の独り立ち物語を見させられるワケだが、確かに、VFXを駆使したクリチャーや未来的ギミックは臨場感があり、また独特の世界観もある。
一方で、苛烈な環境であるはずの未来の地球が、全くそのような環境に見えず、緑あふれる実に美しい星に見えてしまうのには若干の違和感があった。
大昔に去った人類に「隔離惑星」と認定されていた地球が、人間というガンがいなくなり、浄化され現在は居住できる環境に戻っていた、のようなオチを期待していたのだが、最後まで特にそのような描写は見られなかった。

 

主演のジェイデン君はかなり頑張っていた。父親への対抗心でやたらと強がってはいるが、いつも何かに怯えているような弱々しい少年から、極限の経験を経て、"漢"になっていく心情の変化をうまく表現できていたと思う。
父ウィルもニコリともしない威厳のある父親役で、いつものおちゃらけた印象とは一線を画す新境地の演技。
あえて未来の地球が舞台のSFとしたことで、突っ込みどころが増えてしまったワキの甘さは気になるものの、同じ年頃の息子を持つ父親としては十分共感できるし、終盤まで飽きさせない展開で脚本自体は悪くないと思う。

 

実を言うと、個人的には一番のサプライズは映画を観終わった後に待っていた。
何と監督が、M・ナイト・シャマランだったのだ。これには終わるまで気が付かなかった。予備知識ゼロで見るのも良し悪しかな、と最後に思った次第。

 

私的評価:★★★☆☆