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映画鑑賞備忘録

突然ですが、最近は映画館に行ける余裕もあまりなく... 主にTVで観た旧作映画の感想など思うがままに書き綴っています...。

46)インサイド・マン

インサイド・マン (2006年 米)

 

白昼堂々と強盗団に襲われる、ニューヨークの信託銀行を舞台としたクライムサスペンス。

これは面白い!ラストに驚愕!!といった評価が多く、以前から気になっていた作品だった。

見始めてすぐのオープニングクレジットで、監督がスパイク・リーだとその時初めて気がついた。
スパイク・リーと言えば、人種差別問題を主眼に置いた社会派監督のイメージが強く、まさか本作の監督だとは露ほども思ってなくてびっくり。
(リー監督がよく起用する)デンゼル・ワシントンが主演というのは予備知識として持っていたが、正直監督までは気にしていなかった。

ニューヨーク・マンハッタンにある銀行が4人の強盗団に襲撃され、行員、お客など合わせて50名もの人質をとり、立てこもる事件が発生。
急報を受けたフレイジャー刑事(デンゼル・ワシントン)を中心とするニューヨーク市警と犯人たちの昼夜に渡る息詰まる駆け引きが描かれる。

犯人グループのリーダー役であるクライブ・オーウェンによる完全犯罪の勝利宣言から始まる本作は、どうやら現金強奪が犯人たちのお目当てではないらしい、ということを匂わせる展開に。

銀行に立てこもった犯人グループの真の目的は何なのか? どうやって警察に包囲された銀行から逃亡する気なのか? サスペンス映画特有のWhy?How?が次々と提示され、一気にストーリーに引き込まれる。

 そこに、ジョディ・フォスターウィレム・デフォーなど(ウィレム・デフォーはほとんど見せ場なしの完全なチョイ役だが..)の知名度のある芸達者たちが絶妙に絡んできて...最後まで観客を飽きさせないシナリオは前評判通りだった。

 

また、そこはやはりスパイク・リーなので、いつものように人種差別への皮肉も忘れてはいない。本作も所々で、黒人、アラブ系、そしてユダヤ人に対しての差別的エピソードが挿入されている。
撮影手法も独特で、人物を取り囲むようにぐるぐる回るカメラワークや素早く細かいカット割りなど、見てる者の不安をあおるような演出は見事である。

 

ただし、少々スタイリッシュな作りにこだわったせいか、説明不足で分かりづらいところがあるのが難点か。
事件が進行している真っ只中で、人質になった人々への(事件後の)尋問場面が度々インサートされるのだが、このシーンが最初は意味が分からなく、作品を通しての難解さに拍車をかけている気がする。
実はこのシーンが結末への重要な伏線になっているのだが、初見では人質たちの判別ができないのがもどかしい。
1度の鑑賞だけではよく理解できず、答え合わせ的に2度観たのだが、それでも全容は分からずじまいだった。すいません、当方の理解力不足です。

 

劇中では"事の成り行き"が、結局全ては説明されないので、最終的な結論は観客任せ、の感が拭えない。

というか、犯人たちの真の目的ブツが、思わせぶりな展開の割には意外とショボくて、動機付けとしては弱くないだろうか、コレ。

 

タイトルの「Inside Man」がそのまま伏線になっていて、犯人の銀行からの脱出方法には思わずニヤリとさせられるものの、謎解き系サスペンス映画として俯瞰すると、ラストはいま一つスッキリできるものではなかった。

 

私的評価:★★★☆☆