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映画鑑賞備忘録

突然ですが、最近は映画館に行ける余裕もあまりなく... 主にTVで観た旧作映画の感想など思うがままに書き綴っています...。

38)第9地区

第9地区 (2009年 米・南ア・新)

 

地球に難民としてやってきた異星人と人類の共存を扱ったSF作品。
劇場公開当時にそれなりに話題になり、映画館で観たいと思っていて結局観に行けなかった本作をようやく鑑賞。
結論から言うと、予想以上に面白かった。さすが話題になっただけのことはある出来。

 

のっけからドキュメンタリータッチで物語は進み、異星人対策チームのリーダーである主人公のことを、周囲の人たちへのインタビューという形でその人となりを明らかにしていく。
あまり見たことのない斬新な構成の映画だ。しかも無名俳優ばかりが出演しているのを逆手にとり、余計にドキュメンタリーっぽさを持たせることに成功している。

 

舞台は南アフリカヨハネスブルグ。突如宇宙船で現れた異星人を難民として「第9地区」という隔離区域に住まわせるところから映画は始まる。
やがて20年の年月が経ち、完全にスラム化した「第9地区」の異星人たちを、MNUと呼ばれる超国家的な異星人対策組織が、別の収容施設へ強制的に移住させようと画策するが・・・。

 

主人公はおろか、誰一人として知っている俳優は出てこないし、何よりその内容からB級映画臭が漂ってきそうなものだが、なかなかどうして、細部までしっかりと作られていて好感を持った。

ストーリーの巧妙さであったり、エイリアンの造形の独創性であったり、異星人の兵器やメカ描写のクオリティであったり、低予算なりのアイディアが満載で安っぽさがほとんど感じられない。

 

甲殻類にも似た醜悪な造形の異星人を始め、結構グロい表現があったりするので、そういうのが苦手な人はちょっと注意が必要かもしれない。
アクションシーンもふんだんに用意され、最後まで目を離すことができない。ストーリーの展開上、ご都合主義的な部分も多少目につくものの、総じて時間を忘れて楽しめるタイプのオイシイ作品であった。

 

SF映画の体をなしているが、人間性を持つ(!?)異星人親子との交流や、主人公自身も"徐々に異星人に変貌していってしまう.."恐怖や葛藤など、人間ドラマとしても充分鑑賞に耐えられる。
加えて、アパルトヘイトという騒乱の歴史を持つ南アフリカが"異星人差別"の舞台という、全編を通じて強烈なアイロニーが見てとれる良作でもある。

 

私的評価:★★★★☆

 

第9地区 [DVD]

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