映画鑑賞備忘録

突然ですが、最近は映画館に行ける余裕もあまりなく... 主にTVで観た旧作映画の感想など思うがままに書き綴っています...。

34)アンノウン

アンノウン (2011年 米・独) 

 

近年、『96時間』シリーズや『フライト・ゲーム』などで老練なアクション俳優としての地位を固めつつあるリーアム・ニーソン
本作はそんなリーアム・ニーソンの最近の流れを汲むようなサスペンス・アクション映画である。

 

学会で訪れたドイツのベルリンで不慮の事故に遭い、昏睡状態に陥るバイオ生物学者のマーティン・ハリス(リーアム・ニーソン)。
4日後に目覚めてみると、一緒にベルリンに来ていた妻は自分のことを忘れ、別の男が自分に成りすましていた上に何者かに命を狙われるという、とんでもない事態になっていた・・・。
なぜ5年も連れ添った妻が自分を知らないのか?自分に成りすましている男は誰なのか?なぜ命まで狙われるのか?そして、自分は本当は誰なのか?
いきなり謎だらけの大風呂敷を広げられて、一気に映画の中に引き込まれる。


異国の地において、誰も自分を知らない、証明する術もない、という恐怖から、先の見えないストーリーが展開されていく。

交通事故時に助けてもらったタクシードライバーの女性や元東ドイツ諜報部員の好々爺(この役はなんと名優、ブルーノ・ガンツ!)を味方につけながら、自分を取り戻すために奮闘するリーアム親父。
巧みに観客のミスリードを誘いつつ、合間合間に適度に盛り込まれるチェイス・アクションにハラハラ・ドキドキ。

正直地味なタイトルであり、劇場公開した際には全く知らなかった作品だったが、これは拾い物の予感。
結末はいわゆるどんでん返し系のカテゴリーに含まれると思うが、このオチは予想できなかった。
前半に広げられた風呂敷が、大きな破綻もなく後半に向けてきっちりたたまれていく納得の終盤。素直にうまい脚本だと思える。

 

ただし、見終わってよくよく考えてみると、似たようなプロットの映画をいくつか思い出すことができる。
マット・デイモン主演のあのシリーズとか、シュワルツネッガー主演のあの作品とか…。
さらに冷静に見返してみると、突っ込みどころやアラも垣間見えるが、リーアム・ニーソンのいかにも実直そうな親父キャラだからこその自然な演技で、まんまと騙されてしまう。

実生活おいて誰かに騙されるのは勘弁願いたいところだが、映画の中で騙されるのは大歓迎!
観終わった後に意外とスッキリする上質なサスペンス・アクション映画であった。
騙される爽快感を味わい人は是非。

 

私的評価:★★★★☆

 

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