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映画鑑賞備忘録

突然ですが、最近は映画館に行ける余裕もあまりなく... 主にTVで観た旧作映画の感想など思うがままに書き綴っています...。

30)サウスポー

cinema

サウスポー  (2015年 米)

 
ジェイク・ギレンホール主演のボクシング映画。
まさに"王道"という言葉が相応しい。どこも外すことなくボクシング映画のセオリー通りに物語が進む清々しいほどのド定番展開。
つまり、幼少期の苦境(施設育ち) → ボクシングで成功をつかむ → 妻の不慮の死により全てを失う → 新しい師との出会い → どん底からの復活 → そして・・・
脚本的には何の工夫も見られない、既視感たっぷりのストーリー。
 
でも決して嫌いじゃない。何だかんだ言ってもエンターテイメントとしては面白い。だからこそ何度でも題材にされると想像する。
負け犬からの復活劇、そして最後に待ち受ける極上のカタルシス...やはりエンタメ映画はこうでなきゃ…とつくづく思う。
「あ~、いつものマンネリボクシング映画か~」と思いながらも、ラストで泣いてしまった自分がいる。
予定調和だの、定石通りだの、どんなに揶揄されようとも、やっぱり興奮するんだよね。
制作側もその辺りを百も承知のうえで作ってきているのがなおさら悔しい。
 
さらに、これまで「ライトヘビー級のボクサー?? イメージじゃない」と感じていたジェイク・ギレンホールの鬼気迫る憑依演技と、圧倒的リアリティーで迫ってくるボクシングシーンがより一層の興奮を呼び起こすのだろう。
この作品のために肉体改造を果たしたギレンホールのムキムキボディで襲いかかるファイターの姿と、それとは対照的などことなく寂しげで弱々しい普段の表情の演じ分けが素晴らしい。
「これマジに顔殴ってもらって作ったんじゃね?」と思わせるような常に充血し傷んでいる左目であったり、血を吐く場面でドロッとしたいわゆる鮮血じゃない描写など、細かいところでの拘りも好印象。
試合のシーンでは、例えば身体を叩くパンチが、この手の映像作品にありがちな重い"ドス、ドス"というわざとらしい音ではなく、意外と軽めな"ペシ、ペシ"という効果音をもって、より臨場感あふれる仕上がりになっている。
 
そしてなんと言っても、女性やお金、はたまた名誉のためといった動機ではなく、とにかく娘との絆を取り戻すために戦うという主人公の信念が、同じ年頃の娘を持つ身としてはツボにハマってしまった。
実にあざとい。もうこれだけでワタシにとってはお腹いっぱい、号泣路線まっしぐらである。
 
ただ、タイトルの「サウスポー」というネーミングにはちょっと首をひねる。これは邦題だけなのかと思ったら、原題も「Southpaw」だった。
実際映画の中では、サウスポー?それだけ?というのが率直な感想。作中「サウスポー」は最後に取って付けたように触れられるだけで、この映画の本質を全く表現してない。そこだけは外された感じであった。
 
私的評価:★★★★☆
 

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