読者です 読者をやめる 読者になる 読者になる

映画鑑賞備忘録

突然ですが、最近は映画館に行ける余裕もあまりなく... 主にTVで観た旧作映画の感想など思うがままに書き綴っています...。

25)そして父になる

そして父になる (2013年 日本)

 
公開当時カンヌ映画祭に出品されたり、国内の種々の映画賞を賑わした話題作。
是枝裕和脚本・監督作品。主演は福山雅治
出産した病院での子供の取り違えをテーマにした日本映画である。
 
是枝監督の作品はこれまで観たことがなかったし、かなりの話題作だったので期待して観たのだが、はっきり言って面白い映画ではなかった。
特別感動的といったこともなく、感極まって泣けるようなシーンも皆無。
ただ面白くはないが、最後のシーンまで目が離せない、こういう映画は意外と珍しい。
 
主演の福山雅治は、私にとっては「本業はミュージシャン」という先入観が強いせいか、これまで役者としてはあまりパッとした印象がなかった。
ところが、この映画での福山は、自分に絶対の自信を持つエリートというキャラクターを「素の福山雅治は実はこんな感じなのでは?」と思わせるくらいに好演している。
その信念に基づき、子供も自分の思い通りにしようとする立ち振る舞いが、ついには妻の尾野真千子からも眉をひそめられるようになってしまう様が、いつもカッコいいイメージの福山雅治とは一線を画す。
 
共演陣の演技も嫌味なく自然で好印象。
取り違えの相手方であるリリーフランキー真木よう子夫妻は、その木訥とした子煩悩ぶりが福山家とは対照的に描かれていて、観る者の感情移入を誘い、さらに福山雅治をカッコ悪くすることに一役買っている。
そんなカッコ悪い福山雅治が徐々に父性に目覚め始めて… 文字通り「そして父になる」過程がこの映画の見どころといえよう。
 
子を持つ親の目線から観ると、もし自分がその立場だったらどうするか?という問い掛けを投げかけてくる映画な訳だが、当然そんな難問の答えはそう簡単には出せようはずもない。
映画の中においても最終的な判断はそれぞれの観客に委ねられる。
シナリオとしての最後の決断は出てないの?と不満に思う向きもあるだろうが、いかにも日本映画的なこの曖昧な終わり方は、まあこれはこれでアリだろう。
 
私的評価:★★★☆☆