17)あなたへ
あなたへ (2012年 日本)
映画鑑賞備忘録2作続けての日本映画。
今回は結果として高倉健と大滝秀治の遺作になってしまった祈念碑的作品。
朋友、降旗康男監督とのゴールデンコンビは本作で何本目なのだろう? 健さんは晩年はほとんど降旗監督としか仕事をしていなかったようだが、何か特別な理由でもあるのだろうか…?
富山刑務所の刑務官である健さんが、先立たれた妻(田中裕子)の「故郷の海に散骨して欲しい」という遺言に従って、妻の生まれ故郷である長崎県平戸の漁港目指し、自らキャンピング仕様に改造したエルグランドで旅に出るという内容。
旅の途中で出会う人達との心温まる交流や日本の美しい原風景など、いかにも日本映画らしい旅と人情が満載のほんわかした気分になれるロードムービーに仕上がっている。
何と言っても、これは高倉健ありきの健さん映画である。
80歳を過ぎてもなおそこに佇んでいるだけで、この存在感はさすがという他ない。
降旗監督のちょっと乾いたような空気感を醸し出す映像美も相変わらず素晴らしい。
先日たまたま仕事で富山県に行ったばかりだったので、そうそう富山ってこんな空気感だった! と思わず膝を叩いてしまったほどだ。
朋友、降旗康男監督とのゴールデンコンビは本作で何本目なのだろう? 健さんは晩年はほとんど降旗監督としか仕事をしていなかったようだが、何か特別な理由でもあるのだろうか…?
富山刑務所の刑務官である健さんが、先立たれた妻(田中裕子)の「故郷の海に散骨して欲しい」という遺言に従って、妻の生まれ故郷である長崎県平戸の漁港目指し、自らキャンピング仕様に改造したエルグランドで旅に出るという内容。
旅の途中で出会う人達との心温まる交流や日本の美しい原風景など、いかにも日本映画らしい旅と人情が満載のほんわかした気分になれるロードムービーに仕上がっている。
何と言っても、これは高倉健ありきの健さん映画である。
80歳を過ぎてもなおそこに佇んでいるだけで、この存在感はさすがという他ない。
降旗監督のちょっと乾いたような空気感を醸し出す映像美も相変わらず素晴らしい。
先日たまたま仕事で富山県に行ったばかりだったので、そうそう富山ってこんな空気感だった! と思わず膝を叩いてしまったほどだ。
ただ、良くも悪くも"健さん映画"の域を脱してなく、物語としてはちょっと分かりにくいのが気になった。
妻は遺言で結局何を言いたかったのか?
とうとう最後までよく分からずに終わってしまった感じだ。
もちろん健さんは終盤で自分なりの答えを出す。ただし見てる方には、妻の遺言に込められた想いや二人の間の心情が今ひとつ伝わってこない。
もちろん健さんは終盤で自分なりの答えを出す。ただし見てる方には、妻の遺言に込められた想いや二人の間の心情が今ひとつ伝わってこない。
私があまりこういう映画に見慣れていないせいもあり鈍いのかもしれないが...。
それは、観客それぞれが感じたことが答えなのだと問い掛けられているようでもある。
でも、どうしても健さんのロードムービーと言えば、真っ先に思い出す傑作「幸福の黄色いハンカチ」と比べてしまう自分がいる。
それは、観客それぞれが感じたことが答えなのだと問い掛けられているようでもある。
でも、どうしても健さんのロードムービーと言えば、真っ先に思い出す傑作「幸福の黄色いハンカチ」と比べてしまう自分がいる。
少なくともあちらの方がラストは数倍泣けた。
とは言え、俳優:高倉健への惜別としての時間が共有できる良作であるのは確かだ。
そこでは実にゆったりとした時が流れていて、しばし日常を忘れて癒される時間となった。
とは言え、俳優:高倉健への惜別としての時間が共有できる良作であるのは確かだ。
そこでは実にゆったりとした時が流れていて、しばし日常を忘れて癒される時間となった。
私的評価:★★★☆☆