映画鑑賞備忘録

突然ですが、最近は映画館に行ける余裕もあまりなく... 主にTVで観た旧作映画の感想など思うがままに書き綴っています...。

05)16ブロック

『16ブロック』 (2006年 米)

舞台はニューヨーク市警。

警察内部の不正を知る証人(モス・デフ)を16ブロック先の裁判所に護送する任務から、激しい逃亡劇に巻き込まれてしまう…くたびれた刑事をブルース・ウィリスが好演している。

ブルース・ウィリスが、ダイ・ハードシリーズとは180度違ったタイプの刑事を演じていて興味深い。 ウィリスが刑事役をやるとどうしてもマクレーン刑事とダブってしまうのを見越してか、極端に顔色の悪いメイク、ぽってりとした中年太りのお腹、アル中気味の描写など、これでもかと言わんばかりの落ちぶれ感漂うキャラクター設定が施されている。

どこか憎めないおしゃべりなチンピラ黒人と気難しい白人刑事の組み合わせということで、名作『48時間』を思い出すのは私だけではないだろう。

本作のキーマン、チンピラ役のモス・デフは、エディ・マーフィほどのマシンガントークではないものの、その独特なイントネーションがあるしゃべり方が妙に耳に残る…。

相手の不正刑事のボス役は、私も好きなデヴィッド・モース。大作でのバイプレイヤーイメージが強い俳優だが、今作では主役級の扱い。ただし悪者だけど。

過去の悪事への贖罪のために、身内の不正に立ち向かうという耳障りのいい展開が少々鼻につくものの、ラストがほどほどにほっこりすのでよしとしよう。

でも、ラストに向けてウィリスはカッコよく描かれていくので、やっぱりマクレーン刑事に見えてしまった。代表作が根付いてしまうというのも役者にとって良し悪しだと思った。

全編地味な印象が拭えないが、「人間は努力次第で変われる!」という至極真っ当なテーマを扱った佳作。

 

私的評価:★★★☆☆

 

16ブロック [DVD]