01)フォーリング・ダウン
『フォーリング・ダウン』 (1993年 米)
「なんでこんなに頑張ってるのに誰も分かってくれないんだ!?」 誰しもが心のどこかで内包してるこんな思いを、突然爆発させ、暴走する一人の中年男。
男の目的はひとつ「俺はただ娘の誕生日に家に帰りたいだけなんだ」 その道中で時に理不尽に関わってくる“障害”をただ排除し続ける。破滅に向かって・・・。
もう20年も前に製作されたアメリカ映画だが、主演のマイケル・ダグラスがあまり好きな俳優ではなかったのでちょっと敬遠していた。
たまたまTVで放送されていたので録画して観てみたが、そのまま2時間目が離せなくなってしまった。
離婚され、仕事も解雇された中年親父の悲哀を実に繊細に演じているマイケル・ダグラスが圧巻。私が観た彼の映画の中ではピカイチの怪演だった。少なくとも「ウォール街」や「危険な情事」なんかよりはよっぽど面白い。
ひたすら暴走するキレキレ野郎とそれを追う刑事、名優ロバート・デュバル。
ストーリーはこの二人のエピソードを交互に挿入しながら進んでゆく。そして最後だけこの二人が交錯するのだが・・・。
娘を亡くした過去を引きずる老刑事と悪びれない暴走男(父親)との対決は果たして・・・。
結局この男の行為は善意の押し売り、ひとりよがりだったのだろうか…?
子を持つ一人の親として妙に考えさせられる映画だった。
未見の人はオススメです。
私的評価:★★★★☆